令和5年度パワハラの是正指導-厚労省

2024年8月

厚労省は、令和5年度の労働施策総合推進法の施行状況について公表しました。
令和5年の相談件数は、62,863 件(対前年+23.6%)で、相談内容別にみると「パワーハラスメントに関する相談」がほとんど(95.5%)を占めています。
これらの相談等にもとづき雇用管理の実態把握を行った 4,348 事業所のうち、何らかの労働施策総合推進法違反が確認された 2,615 事業所(60.1%)に対して、3,746 件の是正指導を実施したとのことです。
是正指導内容の内訳は以下のとおりです。

令和5年度の労働施策総合推進法関係の相談は、ほとんどがパワハラに関する相談であり、その傾向は前年以前から変わっていません。
これらの相談をもとに雇用管理の実態把握(報告徴収)がおこなわれ、そこで違反が確認された会社に対して効率的・効果的に是正指導をおこなっています。

是正指導の内容のトップは「パワーハラスメント防止措置」、次いで「事業主の責務 研修の実施等」、「事業主の責務 自らの言動」となっています。
このうち「パワーハラスメント防止措置」とは、①事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発②相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備③職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応そのほか併せて講ずべき措置(相談等に伴う不利益取扱禁止の定め等)のことであり、2020年6月(中小企業では2022年6月)に事業主に対して義務化されています。

これらには、就業規則の改定や、パワハラ相談窓口の設置・運営等の対応が必要です。
労働法令や一定の労務ノウハウが必要な領域ですので、是非社労士のご活用をお勧めします。