建設業の時間外労働上限規制のパンフレット-厚労省

2024年8月

厚労省は建設業の時間外労働上限規制のパンフレットとして「わかりやすい解説」を公表しました。全業種共通の規制の内容等について説明するとともに、建設業特有の「災害時の復旧・復興事業」についてや建設業様式の36協定届の書き方についても解説しています。

建設業の時間外労働規制は、他の一般事業とは異なり適用猶予期間が設けられていましたが、2024年4月から適用開始となりました。
これにより、「災害時の復旧・復興事業」を除いて、他の一般事業と同様の時間外や休日労働の上限規制が適用されています。

本件の厚労省パンフレットでは、他の一般事業とは扱いが異なる「災害時の復旧・復興事業」の取扱いに重点を置いて、分かりやすく説明されています。
建設業における「災害時の復旧・復興事業」とは、特定の災害により被害を受けた工作物の復旧・復興を目的として受注した建設事業を指し、例えば被災した鉄道や道路等の復旧や仮説住宅の建設、復興事業段階の工事等があります。
これらの事業をおこなった場合に、事前にその旨の36協定届(9号の3の2又は9号の3の3様式)の提出をしていれば、①「時間外労働と休日労働の合計が単月100時間未満」とする要件②「時間外労働と休日労働の合計が2~6ヵ月平均80時間未満」とする要件 については、「災害時の復旧・復興事業」に限り算定対象外とすることができます。
ただしこの場合であっても、③時間外労働が月45時間を超えることができる回数は6回まで④年間の時間外労働合計は720時間以内 の要件は適用されます。
よって、「災害時の復旧・復興事業」をおこなう見込みがある場合は、労働時間の管理について、通常事業と「災害時の復旧・復興事業」を分けて管理する体制が必要です。
※ ①②は特別条項の有無にかかわらず適用されます

厚労省のパンフレットはこちらをご参照ください。