令和6年度の地域別最低賃金の答申が公表されています。
各都道府県では、先般の中央最低賃金審議会の「50円の最低賃金引き上げ」の提示を参考に、各地方最低賃金審議会で調査・審議して答申をおこなっています。
この結果全都道府県で、50円~84円の引上げがなされる予定で、改定額の全国加重平均額は1,055円(前年1,004円)となる見込みです。
全国加重平均額51円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額とのことです。
なお、今後は都道府県ごとに手続きをおこない、10月1日から11月1日までの間に順次発効される予定です。
先日の中央最低賃金審議会では「全都道府県で50円の最低賃金引き上げ」という目安が提示されましたが、これを受けて各地方最低賃金審議会がどの程度の賃金引上げをおこなうかが注目されていました。
(中央最低賃金審議会の目安詳細については、弊所ブログ「令和6年度地域別最低賃金額改定の目安」をご参照ください)
結果としては、全ての都道府県で目安とされた50円以上の賃金引き上げを答申しており、特に徳島県では異例の84円引上げとなっています。
最低賃金が84円引き上げられると、月給への影響は14,600円/月※程度の賃金アップとなるため、労使ともに影響が大きいと感じます。
※週40時間労働の場合
東京都及び神奈川県の最低賃金については、ともに50円引き上げられて、東京都1,163円、神奈川県1,162円となりました。発効日はいずれも10月1日を予定しています。
また、最低賃金引き上げの影響を受けるものの一つとして、「業務改善助成金」や「キャリアアップ助成金・賃金規定等改定コース」等があります。これらの助成金は、最低賃金改定後(効力発生日後)の方が要件充足のハードルが上がります。そのためスケジュール管理や、申請が最低賃金改定後になる場合は改定後の条件で計算した賃金額が助成金の要件を満たすかの確認が必要となりますのでご留意ください。
本件にかかる、「全都道府県の答申状況」についてはこちらをご参照ください。