時間単位の年次有給休暇制度

2024年10月

時間単位の年次有給休暇制度は、労使協定を締結することを条件に、時間単位で有給休暇を取得することができる制度です。ただし、この制度で使用できる年次有給休暇は「年に5日まで」とされています。
厚労省の実施した「令和5年就労条件総合調査」によると、本制度を導入している企業は25.0%とのことです。

時間単位年休は、有給休暇の取得率アップを目的に平成20年改正から導入されました。有給休暇の趣旨は、労働者の心身の疲労回復等にあることから、本来はまとまった日数の休暇取得が原則ですが、仕事と生活の調和を図る観点や制度の利便性を考慮して導入されています。
調査の結果をみると、改正から10年以上が経過していますが、実際に導入している企業は25.0%と多くはありません。その理由としては「勤怠管理や給与計算が煩雑になること」が大きな要因の一つと考えられます。

政府は「有給休暇の取得率70%」を目標としており、その実現に向けての取り組みとして、2024/9より「働き方・人への投資ワーキング・グループ」において時間単位年休のあり方の議論を始めています。その中では、時間単位年休の上限5日をどうすべきかも含めて検討されています。
また、実際に企業に時間単位年休を導入してもらうため、中小企業については「働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)」による支援もおこなっています。
時間単位年休制度の導入によって助成金を受けるには、①法定の時間単位年休の導入 だけでなく、②時間単位の特別休暇の導入 も必要となりますが、指定された取組にかかる経費の一部を助成してもらえます。(本件のみの場合は最大25万円)
※例:「就業規則・労使協定等の作成・変更」、「労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新」 等

助成金の詳細については、こちらをご覧ください。