徳島・鳴門労働基準監督署は、労働を条件に前借金を貸し付け、賃金を相殺したとして、社会福祉施設と同社代表取締役を労働基準法第17条(前借金相殺の禁止)違反の疑いで徳島地検に書類送検しました。
労基法第17条では、「労働することを条件に」金銭を貸付け、その返済金を賃金と相殺することは禁止されています。これは、労働することを条件とした金銭の貸付けが身分的拘束を生み、強制労働につながることを避けるためです。
そのため、「労働することを条件に」しない金銭の貸付けは、上述の強制労働の恐れがないことから、認められます。
また、返済金と賃金の相殺についても、使用者の意思ではできませんが、労働者が真意に相殺することを望むのであれば認められます。
これに違反すると、罰則(6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金)があります。
例えば、退職時に一括返済を求めるような貸付けは、労働と金銭の貸付けを紐づけており、違法となりますので注意が必要です。