製造業等の人材開発の取組状況-ものづくり白書2024版

2024年6月

2024年版のものづくり白書によると、人材開発の効果を感じている企業での取り組みとしては以下があるとのことです。

1.能力開発のための環境整備
 ①能力評価制度の導入、②目標管理を通じた能力の棚卸し、③個人ごとの育成計画の作成

2.身に付けた能力を実務で発揮するための取り組み
 ①身に付けた能力・スキルに関連する部署・担当への異動・配置転換、②プロジェクトチーム等の人選での身に付けた能力・スキルの考慮

3.身に付けた能力の処遇への反映
 賃金(昇給、昇格、賞与、技能・資格手当等)への反映

「ものづくり白書」は、厚労省・経産省・文科省が合同で作成している報告書で、日本のものづくり産業(製造業等)の実態や課題、今後の展望をまとめたものです。

人材開発の効果を実感している企業では、1~3の取り組みを総合的におこなっているのが特徴です。
1-①評価制度導入や、1-②③で全従業員に個人別の対応をおこなうこと、また2の能力を発揮できる部署への配転等は、会社としても相応の労力や時間を要します。
しかし採用が厳しい昨今、今ある社内の人材を育て、また従業員にも「当社ではここまでのことがやれる」と感じてもらうことは離職率の低減にもつながります。そもためにも、今後本腰をいれて取り組むべき課題の1つといえるでしょう。