最近お客様より頂いた質問です。
「所得税額が少なく定額減税額を所得税から控除しきれない場合、その控除未済額が給付されると聞きましたが、何か自分で手続きすることはありますか?」
定額減税の金額等についてはニュースでも耳にすることが多いですが、控除しきれない場合の対応については比較的情報が少ないのでご存じない方も多いかもしれません。
給付は各自治体ごとにおこなわれるためそれぞれ対応が異なるうえ、まだ対応の全容が公表されてはいませんが、2024/6/4現在の状況について解説します。
なお、上述の質問の回答を最初に申し上げると、多くの場合で、市区町村から郵送される「確認書」へ必要事項を記載して、返送する必要があります。
以下では、控除未済額が発生する場合の定額減税の流れをご説明します。
定額減税とは
定額減税とは、令和6年分の所得税・個人住民税について定額(1人あたり所得税3万円、住民税1万円)の特別控除をおこなう制度です。所得税については以下のとおりです。
控除未済額がある場合
上述のとおり、原則、定額減税は所得税から減額することでおこなわれますが、ご質問にあったような「所得税額<定額減税額」となり、減額しきれない場合はどうすればいいのでしょうか。
この場合が、主として個人で手続きをおこない、各自治体から差額相当額の給付(調整給付)を受けるケースとなります。
①給付をおこなう行政機関と手続き
所得税又は個人住民税・所得割のうち少なくともどちらか一方が課税されている場合は、個人住民税が課税される市区町村から給付されます。給付にあたっては、2025年以降に「確認書」が郵送されますので、これを必ず返送してください。
※「プッシュ型給付(マイナポータルに事前登録された口座情報等にもとづき市区町村が給付をおこなう制度)」に対応している自治体で、事前に一定の登録をおこなえば、確認書の手続きは不要です。
②給付額の計算方法
年末調整や確定申告で最終的に控除しきれなかった定額減税額は、1万円未満を切り上げて給付(調整給付)されます。
例えば、所得税部分と住民税部分で控除できなかった額の合計が5万1円であれば、6万円が給付されることとなります。
③その他
- 2023年の所得状況から定額減税で引ききれないと見込まれる額がある場合は、2024年夏以降に個人住民税が課税される市区町村より、その見込額が支給されます(当初給付)。
これに関する「確認書」の送付は、東京都町田市では現在未定となっていますが、他の自治体では2024/6~7に発送となっているところが多い印象です。 - 会社側の定額減税に関する処理は、こちらをご覧ください。