現金給与総額は296,884 円-毎月勤労統計調査(2024/4速報)

2024年6月

2024/4毎月勤労統計調査の速報値によると、現金給与総額は296,884 円(前年同月+2.1%)、実質賃金指数は85.6とのことです。

「給与は去年よりアップしたのに、生活が楽になった気がしないな」と感じている人も多いかと思いますが、これを裏付ける調査結果となっています。

実質賃金指数とは、基準年(現在は2020年)の実質賃金(物価変動の影響を除いた賃金)を100とした場合の、各調査対象月の実質賃金を指数化したもので、賃金の購買力を示す指標です。
この指数が85.6ということは、4年前の基準年と比べても相当程度実質賃金が減少しているということであり、上述のような私たちの実感とも一致しているといえます。

経営者としては、従業員に少なくともこれまでと変わらない生活をさせたいという思いはあると思いますが、そのためには今回の調査で使用している物価変動率(消費者物価指数)の対前年上昇率+2.9%というのが、賃上げを考える際の一つの目安となります。
物価上昇を補うような賃上げとなると、企業努力であるコストダウンだけでなく、売主への価格転嫁が必要といえるでしょう。
また、今後も物価上昇傾向が変わらないとすると、現在一時的に物価上昇を補う手当として「インフレ手当」等を支給している場合には、基本給に組み込むことを検討する段階といえます。