三菱UFJリサーチ&コンサルティングが、人事部門向けに実施したアンケートの調査結果です。
これによると、定年について、「延長を検討中だが年齢は未定」とした企業は20.0%、「70歳まで延長を検討」は1.2%、「65歳まで延長を検討」は17.1%となっています。また、「過去に延長または廃止を実施済み」は11.4%とのことです。
定年後の雇用については、高年齢者雇用安定法により「65歳までの雇用継続」が義務づけられています。内容としては、①定年の廃止②65歳までの定年の引上げ③65歳までの継続雇用制度の導入 があります。
一方、65歳以降の雇用については「70歳までの雇用機会の確保」が努力義務となっています。内容としては、①や、②③の年齢を70歳まで引き上げること以外にも、④70 歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入 などがあります。
これまでは③「雇用継続(嘱託職員等)による対応」をしている会社が多かった印象ですが、今回のアンケートによると①②のように、定年年齢そのものに何らかの対応を検討・実施している会社が増えていることがわかります。今後日本の高齢化がすすみ労働力が不足することを考えると、抜本的に会社の制度設計を見直そうと考えている会社が多いということでしょう。また、いずれ70歳まで雇用の義務化がされる可能性が高いことを見据え、早期に対策を講じているとも考えられます。
弊所でも、最近は「65歳以降の従業員の雇用をどうするか」についてご相談を頂く機会が増えています。
65歳以上の社員が、現実的に会社の主力として活躍する機会が増えていく中で、その社員の待遇を含めたモチベーションの維持をしつつ、安全面・体力面の配慮を考えることは重要です。
会社の方針を決める際には、是非、社労士にご相談ください。